理香子 | 「死ぬところだったわ……」 |
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宗介 | 「……すまん」 |
岸へ上がろうとした時、足をかけた岩の表面がぬめっ ていて、見事に転倒してしまった。 |
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俺と一緒に川へダイブした彼女は、3メートルくらい 流されてなんとか岸にしがみついた。 |
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理香子 |
「携帯だけじゃなく、 私まで川に投げ込まれるとは思わなかったわ」 |
宗介 |
「ほんとに悪かったよ。 けど、わざとじゃないんだ」 |
理香子 |
「ええそうでしょうとも。 携帯は、バイクとぶつかるのを避けるためだったし、 私が落ちたのも、その携帯を探してくれたから」 |
理香子 | 「つまり、全部私のためにしてくれたことなのよ」 |