GALLARY

*Nagakura Konatsu*
×小夏
「ふぁあああっ、あっ、ひぁぁあああ!!!
 やだっ、やだやだやだやだやだぁあああ!!!」
×
 光が差した先に生首が現れると、何度目かの絶叫が
 俺の耳元で響いた。
×
 小夏はアトラクションを満喫し、俺は小夏の声に
 驚いているような状況が、さっきから続いている。
×小夏
「うぅぅぅ……もうやだよぉ……心臓止まる、心臓とまるー!」
×啓人
「それは大変だ――」
×悲鳴
「いやぁあああぁああっああああー!!!!!」
×
 適当な相づちを打ちかけた瞬間、近くで断末魔のような叫びが
 鈍重な空気を切り裂く。
×小夏
「ひぁああぁあっああああ!!! っ……うぅぅ~。
 早く終わってぇぇえ……」
×
 その場で固まってしまい、一歩も動けなくなってしまう小夏。
×
 小夏の視界が俺の胸元で完全に隠れたのを見計らって、
 携帯を取り出し画面を確認する。
×
 誤動作なく、音声録音のカウンターが回り続けていた。
×
 取れ高としては、もうバッチリだ。
×
 『昔と変わらずお化けが苦手』という、変わらない小夏を
 見ることができて、兄としては嬉しい反面――
×
 そう思ってしまうと、ちょっと気の毒な事をしてしまったかな
 という感情も芽生えてくる。
×啓人
「歩かないと終わらないぞ。ほら、行こう」
×小夏
「そんな簡単に言わないでよぉ……! うぇええーん!!」
×
 歩くよう促すと、それを拒むように
 ぎゅっと胸元にしがみついてくる。
×啓人
「おっ……と……」
×
 二の腕に、そして胸元に、妹の豊満な膨らみが押しつけられた。
×啓人
「あぁぁ……あのさ、小夏。当たってる、当たりすぎ」
×
 たとえ妹のとはいえ、胸は胸。
 おっぱいの柔らかさは男の理性を狂わせる魅惑の存在。
×小夏
「え? え? 当たるってなに――」
×小夏
「ぁ――」
×小夏
「っ……! おおおお兄ちゃん! いきなりなに言うのっ!?」